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第3部 - 第6章咬合その2後編
進化論、咬合 その1で、静的な位置関係を出発点とした、咬合の総論をお話し致しました。 この第3部では、咀嚼器官の意味合いを説明しながら、次第に動的要素が加わってきました。次の第3部( 第6章 ) で、その犬歯の役割と、臼歯の関係に眼を向けていくつもりです。
咬合を挙上し、顎位を変えたケースの ME 機器による検証。時間の経過により、基準位自体に変化が出現した。生体の持つ可塑性の中で、機能と構造は互いの関係性を探し出していこうとする。機械論だけで、顎位を決定する危険性を示している。
顎位を、CR と、非CR という二元論では決定できない。生体は構造だけで成立するのではなく、関連し合いながら、機能を営み、時に、構造すら変化を示す。それを総合して動的平衡と呼ぶ。 “ 状態 “ として把握する必要があるだろう。
しかし、顎位は動的平衡により変わりうると言っても、歯牙歯列という硬組織同士の接触で規制される。天然歯列でも、修復でも、定点として決定する必要がある。他の機能との関連性を重視しながら、関節自身が位置を探し出す助けを、術者が行う。