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第3部 - 第6章咬合その2前編
進化論、咬合 その1 で、静的な位置関係を出発点とした、咬合の総論をお話し致しました。 この第3部では、咀嚼器官の意味合いを説明しながら、次第に動的要素が加わってきました。次の第3部( 第6章 ) で、その犬歯の役割と、臼歯の関係に眼を向けていくつもりです。
前の項目で、咬合調整方法論まで説明したが、任意の側方運動では単なるテストムーヴメントの範囲しか把握できない。チカラの加わったグラインドは術者の誘導 “ Induce “ が必要である。古いパントグラフの軌跡によって、誘導を理解しておきたい。
側方運動は誘導により、ある程度以上の把握はできるが、前方と側方の中間運動はほとんど闇の中にある。被蓋の程度によっては下顎前歯の切端と、ゴシックアーチの全てがからみ合い、単純なアンテリアガイダンスの考え方では不十分となりやすい。
犬歯誘導そのものは、側方運動のガイドとは関係なく、実際の咀嚼の噛み込みの角度 Incursion は、犬歯舌側の機能面に対し 20°の自由運動範囲を持っている。この自由度を持たないと、きつい咬合となり、関節、筋靭帯に緊張が強いられてしまう。