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第3部 - 第5章進化論、咬合その1前編

くれなゐ塾「第3部 第5章」の内容です。長いイントロが続いたことになります。一挙に、沢山の重要な項目が登場してきました。この辺りから、厄介な咬合の局面に光を当てていきましょう。咬合を一つの窓口からだけ覗いても、視野が限定されてしまいます。咬合とは何か ? を考えるとは何か ? というもう一歩上流からのメタな立場で、全体を考える必要があるでしょう。

霊長類の進化を辿ると、骨格や頭脳頭蓋のゆるやかな変化が見えてくる。咬合形式も同様で、突然変異と自然選択のせめぎ合いの中で、連続性が明確になっているとは言えず、現代の咬合理論は後付けの可能性が高い。犬歯誘導に頼り過ぎる危険を感じる。


臼歯による咬合支持と、犬歯誘導を考える前に、咬合調整の理論と実際の方法論に触れておきたい。今、ここにある犬歯の被蓋を受け入れて、臼歯の干渉を調整することは、定性化の概念と、咬頭嵌合位の確立により、すべての咬合治療に先行するであろう。


上の症例の咀嚼サイクルと、ゴシックアーチの、咬合調整の前後を示す。調整により、咬頭嵌合位が定点で再現可能になると、咀嚼の運動がパターン化し、閉口時の Incursion が鋭角になり、ゴシックアーチのピークが出現、顎位獲得の第一歩となる。

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